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てしろのにわの取り組み

てしろのにわについてのご紹介

 

令和3年4月より“てしろのにわ”が新しい体制となりましたので、

ここで改めて“てしろのにわ”の活動についての紹介をさせて頂きたいと思います。

“てしろのにわ”は、認知症対応型通所介護と申しまして、

認知症の診断を受けた方に利用していただく施設となっています。

また、職員としては、認知症介護実践者研修を修了した介護士が、

認知症に対する様々なアプローチを行っています。

本日は、当施設でおこなっている認知症に対するアプローチについてのお話をさせていただきます。

一般的にいって、認知症のアプローチの方法として、以下の5つの方法が代表的です。

①音楽療法

②作業療法

③回想法

④現実見当識訓練(リアリティ・オリエンテーション)

⑤アニマルセラピー(現在“てしろのにわ”では行っておりません)

残念ながら、現在の医学では、認知症を完全に元の状態に戻すことは難しいといえます。

ですので、上記のいろいろな方法に関しては、認知症の進行を遅らせたり、

発症を抑制するために行うものであるといえます。

認知症を発症された方には、特に短期記憶(最近の記憶)が途切れてしまいやすく、

それらを思い出せないことからの焦り、あるいは「また忘れてしまうかも・・・」

といった不安に苛まれる事が往々にして起こり得ます。

このことから、認知症に対するアプローチは、心の平穏を取り戻し、

自信をもって生き生きとした生活を送っていくための施策とも言えるのです。

最後になりますが、認知症対応型通所介護で重要となるのは、

重度の認知症の方だけが使う施設ではない!ということです。

認知症の対応でお困りの方はもちろん、認知症早期の方にも積極的にご利用いただき、

様々な専門的なケアを続けていただく事で、

認知症の発症と進行を抑制していって頂けたらと考えています。

次回から、認知症の判断基準のお話しや、ご紹介した認知症に対するアプローチの方法について、

それぞれ細かくみていきたいと思います。

 

音楽療法について

 

今回は“デイサービスセンターてしろのにわ”で行っている、認知症のアプローチの一つである、

「音楽療法」についてのお話です。

音楽療法の定義として「日本音楽療法学会」では、

「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の軽減回復、機能の維持改善、生活の質の

向上、問題となる行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」としています。

簡単に言うと、音楽の持つ様々な効果を期待して、意図的に音楽を利用することにより、脳を活性化させたり、

心身をリラックスさせ、身体の状態に変化を与えようとするもの、ということです。

認知症の方に対しては、

特に音楽を聞く・歌う、奏でることによる脳の活性化とリラックス効果が挙げられますが、もう一つ重要な要素

として「記憶に働きかける」というものがあります。

音楽は「記憶の扉を開けるカギ」とも言われるそうで、自分が覚えている曲や、若かった時に聞いた曲をかける

ことにより、当時の記憶をたどるきっかけとして使うことが出来ます。

“デイサービスセンターてしろのにわ”では、

利用者様の好きな音楽を、利用者様の反応を確認しながら選曲しており、それによる脳の活性化とリラックス

効果を期待しています。

また、先ほど申しましたように、音楽を「記憶を呼び覚ますツール」として、意図的に選曲を行い、それを

手がかりとして記憶に働きかけるものとして音楽療法を取り入れて行っています。

 

作業療法について

 

私たちの生活は日々作業によって成り立っています。

「仕事を行う、家事を行う、趣味活動を行う」などがそれにあたりますが、もっと言ってしまえば、

「食べる、お風呂に入る、着替えを行う、トイレに入る」なども全て作業ということが言えます。

作業療法とは、病気や障害により支援が必要になった方々に対して、ある意図をもって最適な作業

を選定し、実際に日常生活に関係する動作行っていただくという、リハビリのことを言います。

この作業療法ですが、認知症の方に対しても勿論有効で、“てしろのにわ”では、今現在残っている

手足の機能を衰えさせないようにする為に、様々な製作物の作成や、実際の料理活動といったこと

を行っています。

例えば、活動量の低下してしまっている方では、手を握ることしかできない、といった行える動作

が限られることもあります。

しかし、その限られた動作が活かせる作業を繰り返し行っていく事で、機能の低下を防止し、

出来る動作を増やしていく事が重要となります。

また、そのような身体機能の維持改善に加え、その人が今まで得意だったことや、好きだった事を

行って頂くことで、行動に対する積極性や、「自分はまだこんなに出来る事がある!」といった

自信や意欲の向上を図ることも視野に入れて取り組んでいるのです。

 

回想法について

 

認知症の方は最近の記憶が失われる事が多いものですが、その反面比較的昔の記憶は保たれる

傾向がみられます。

回想法とは、この“比較的保たれる昔の記憶”を利用する認知症のアプローチ方法です。

昔の楽しかったことや辛かったこと、昔交友のあった友人の話、子供の頃の話や学生時代の話等、

それらを思い出して言葉にしたり、相手の話を聞いて刺激を受けたりすることで脳が活性化し、

活動性・自発性・集中力の向上や自発語の増加を促すために行います。

“てしろのにわ”では、記憶を引き出すヒントとなる動画や、絵、写真を利用し、専門の職員が

ご利用者様に対して働きかけを行っています。

 

リアリティオリエンテーションについて

リアリティオリエンテーションとは、日本語では「現実見当識訓練」といいます。

余り馴染みのない言葉ですが、海外では50年以上前から行われていたリハビリ療法の一つとの事です。

認知症の方の多くは、見当識障害(時間や季節、ここが何処なのかが分からなくなる状態)により、

自分がなぜ今ここにいるのかが理解できず、混乱や不安になってしまいがちです。

この為、これらの情報を提供することで、混乱や不安を和らげる効果を期待して行います。

具体的には、会話の中で出てきた言葉などを記憶してもらい、その記憶してもらったことを

繰り返し思い出してもらう、といった作業を行っています。

また、グループでの話し合いの中でコミュニケーションを図りながら見当識に対するアプローチを行う

こともあります。

グループという他者との関わりの中で、楽しかった思い出や何気ない会話の中にあるエピソードを

話してもらい、その気持ちを他者と共有し、喜びを見出すことを期待して行います。。

 

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