認知症について
認知症ってなに?
さて、今回は認知症についてのお話です。
認知症とは、いくつかの種類に分けられますが、
基本的に、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。
種類的には、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症の3種類が多く、全体の85%にも達するようです。
アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多く、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症です。
血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によっておきる認知症です。脳の場所や障害の程度によって、症状が異なります。そのため、できることとできないことが比較的はっきりとわかれていることが多いです。手足の麻痺などの神経症状が起きることもあります。
レビー小体型認知症は、実際にはいない人が見える「幻視」、眠っている間に怒鳴ったり、奇声をあげたりする異常言動などの症状が目立ちます。また、手足が震える、小刻みに歩くなどパーキンソン症状がみられることもあります。頭がはっきりしたり、ボーッとしたり、日によって変動することも特徴的です。
では、これらはどうやって診断されるのでしょう?
認知症はどうやって診断されるの?
では、認知症かな?と思ったら、どこでどうやって診断を受ければいいのでしょう?
答えは、
「神経内科」「神経科」「精神科」「心療内科」「脳神経外科」
などの専門医が診断を行います。
また、「もの忘れ外来」や「認知症外来」などの専門外来のある医療機関ありますので、調べてみてください。
ただ、どこの病院がいいのかな?と思われる方も多いともいます。
ですので、認知症かな?と思ったら、かかりつけのお医者様に相談することをお勧めいたします。
特にかかりつけ医がいない場合は、
市区町村の相談窓口や保健所・保健センター、地域包括支援センター
などで紹介してもらうことも可能ですので、参考にしてみてください。
次に検査方法ですが、
先ずは、お医者様から、これまでの経過などの問診(聞き取り)を受けます。
その後、診察に移ります。
ここでは、血圧測定、聴診だけでなく、発語、聴力、手足の麻痺や不随意運動の有無、
歩行状態などについてチェックを受けます。
更に、
神経心理検査(改訂長谷川式簡易知能評価スケールやミニメンタル検査)という、
簡単に質問に答えていく検査や、頭部CTや頭部MRIなどの画像検査が行われます。
場合によって、脳血流SPECT(脳の血流状態を調べる検査)やMIBG心筋シンチグラフィという
検査を受けることもあるようです。
認知症は上記のように、
問診 → 診察 → 神経心理検査 → 画像診断
を経て、お医者様によって診断されるもといえます。
アルツハイマー型認知症の治療薬!!
ご存じの方も多いかともいますが、ものすごいニュースが飛び込んでまいりましたので、
ちょっと認知症のアプローチに代わってご紹介させて頂きます。
2021年6月8日に、日本の製薬会社のエーザイとアメリカの製薬会社バイオジェンが、
アルツハイマー型認知症の治療薬「アデュカヌマブ」を共同開発し、アメリカで承認されました。
日本でも既に昨年の12月に申請されているため、今後の動向が注目されています。
重要なことは、アルツハイマー型認知症の根本治療が可能になるということです。
もともとアルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞に「アミロイドβ」という特殊なたんぱく質が
蓄積されることで引き起こされます。
今回の治療薬は、このたんぱく質を溶かすことで抑制されていた脳の機能が再活性される、
というところにあります。
但し、長期間にわたるたんぱく質の蓄積により、脳細胞が死滅してしまっている場合に関しては、
大きな効果は見込めないとの報告もあるようです。
また、新薬の開発には莫大な費用が掛かるため、薬に掛かるお金として、12か月使用した場合
610万円もの費用が発生してしまうようです。
ただ、アルツハイマー型認知症が回復していく過程で、ご家族の負担軽減や就労を続けることが
できるようになる、ということを考えると、どの程度の補助が得られるかが今後の課題ともいえ
そうです。